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二人はあの店へと戻ってきた。今度はまっすぐに芝生を突っ切ったおかげで無駄な時間を過ごさずに済んだ。今度は店員は1人しか表におらず、ほかの人の気配は全くなかった。
「……同胞としてあなたたちのことを歓迎します。ここについてはご存じなのでしょうか」
さきほど地面に図を描いた店員だった。
「君一人しかいないのか」
岩屋は疑問に思って尋ねる。店は簡単な土産物がおいているだけのもので、それだって粗末なものばかりだ。下手をしたら墓暴きの際に残ったものをここで売っているということも考えられるぐらいなものだった。




