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「わかっていても、それができない。祖霊が一番つらいことなのだよ。だが、その道しか選ぶしかなかったということも、十分に理解をしていてほしい。私だって、ほかのところに行けるのであれば、今すぐにでも行きたい。政府を批判するものではないが、それでも移動するための自由ということは、ほしいものだよ」
「……では、政府を批判するということではないという前提でお考えほしいのですが、世界がもしも変わってしまい、以前のように様々な場所へ移動することができるようになりたいですか」
この質問に、思わず周りを見回す特別市長。それだけ、何かしらの罠と考えるような質問だったのかもしれない。




