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「そうだな、行けるものなら行ってみたいところはあるな」
「それはどこなんですか」
テッセラは少し微笑んだ形をしてその場所についてを聞こうとする。ふむ、と言ってちょっと待ってて、と言って、少し立ち上がり、近くの本棚においてあったぶ厚い段ボールのような木箱を持ってきた。
「確か、確か。あああった」
当時買ったものだよ、といってテッセラにそれを見せる。それはいわゆる記念メダルというものだった。岩屋はそれを見ただけでわかっただろうが、テッセラにとっては初めて見るものだ。




