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「君もどこかで聞いたことがあるだろうが、この特別市長という役職は名誉職としての地位だ。何にも実験は持ってはいない、ただのお飾りだよ。だが以前は確かに実質的に意味がある職業だった、それも間違いはないことなんだ」
「……政府の意向で変わってしまったということでしょうか」
「そうだね、特にとある地方で新たに都督が就任して以来、大きく変わってしまった」
「そうなのですか。すごい影響力がある都督なのですね」
おそらくは元護王将軍のことだろう。そう考えていたものの、それについてテッセラは言うことはできない。それを伝えてしまえれば、この領域外からきたということに気づかれてしまうからだ。




