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「そうか、ならまあ、簡単にはなるだろうが、話しておこうか」
はあ、やれやれ。というため息のような声も出しながら、特別市長は改めて腰を落ち着ける。ただ、ああそうだ、と思い出したように立ち上がると、自身のためだけに大きなコップを持ってきた。テッセラの席からは黒色の液体がなみなみと注がれていることしかわからない。ただそれを思いっきり一口で飲むと、近くにあったサイドテーブルを持ってきて、コップを置く。あれほどあった中身も、3分の1が消えていた。かなり一口が大きい人だと、テッセラは考えることにした。




