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庭は、花が咲き乱れているという予想とは違い、あちこちに草や低木が生えている程度に思えた。手入れは最低限はされているようで、通路になっているところはある。しかし、そこから一つ横を見た途端に、現実を見せつけられた。
「……ふむ」
テッセラは全くと言っていいほど手入れをされていない草木を見る。わざと放置をされているのだろう。ここは少なくとも特別市長という存在を、政府側は疎んでいるのかもしれない。ここまで露骨にいやが荒瀬をするのも、その一つの証拠になるだろう。テッセラが思いながらも、歩いて進んでいく。




