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「急に何事だ」
「だって、ゴアフラと暮らしてみてよくわかったの。あなたとなら、ずっといられるって」
ゴアフラはヒカイロネの話を聞きながら、ラジオに水がかかっていないかを確かめている。そして、水がこぼれたのは床へ向かってだけだとわかり、ホッとした表情を見せた。床にこぼれた分は、もう拭く必要もない。だから、ゴアフラはそこを踏まないようにしつつ、ヒカイロネとの会話を続ける。
「結婚式あげようといっても、指示書に書いてあっただろ。しばらくはおとなしくしろと」
「ええ、書いてあったわね」
ヒカイロネはあっさりと言い切る。




