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「新市街あるならば旧市街というのもあるのか」
「今まで歩いてきたところで、大街道が広くなり、道中にも露店が建ち並ぶようになったところがあったのを覚えているか」
「ああ」
岩屋は輸送班長の言葉にうなづいた。その瞬間、というよりかはそのような場所があったということは覚えていた。
「ちょうどあれが現れるところの内側、つまり市庁舎側の領域が新市街、その周辺が旧市街だ。ただ実際に昔の王国のころからの市街地という点でいうのであれば、城壁の内側の一角だけがその領域になる」
と、輸送班長が地図のところを指でなぞりながら教えた。




