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「ああ、ここだ」
輸送班長が大街道を歩かせること10分かからないくらい。あの市庁舎の姿はたくさんの建物の裏に隠れてしまい、すでに見えない。そんな高層ビルが建ち並ぶ一角にある建物へとずんずんと入っていく。
「……アディ・ホティスルという名前か」
岩屋は輸送班長に聞こえるように玄関のすぐ横に立っていた木札を読み上げた。
「そうだ。こんな一等地にあるし、宿泊代も高い。だが、全部会社持ちとなれば、話は別だ」
なにかニヤッとしながら輸送班長を先頭に、順番にホテルへと入っていった。




