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僕の異世界復讐話し  作者: 尚文産商堂


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3844.

 腕時計は兵士の方に見せるだけで手放さない。

「……よく見えないんだが」

「すまない。だが、手渡した途端に持っていかれた例もあるのでね。これで勘弁をしてほしい」

 岩屋は必ず腕時計のベルトの一端を離さないようにする。その理由も、どうやら兵士の方は納得ができるものだったらしい。それもそうだな、といわんばかりの表情で、しかし信頼されていないことに対して憮然とした表情で、兵士は時計を眺める。岩屋に命じて表や裏や、ベルトといった隅々まで確認を徹底した。

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