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「まあまあ、我々は荷物を輸送している者だ」
言いながら刀4本分くらいの距離を取って、輸送班長は立ち止まる。後ろには4台の荷車があり、その言葉に嘘がないことは岩屋もわかっていた。だが兵士らは別だ。
「……ならば証拠を。君らが確かに、ソーリスの職員であり、確かに君らが輸送班であるという証拠を提示してもらいたい」
「これでいいか」
言って岩屋が出したのは、ラシークス営業所所長から預かっていた腕時計だ。元の世界なら500円くらいで売っていただろうその腕時計も、ここでは超高級品だ。




