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山を下りてから2週間。あちこちにあるソーリスの営業所を経由して、とうとうオリトークへとたどりつく。だが、その都市圏に入る直前、関所が1つあった。
「ここは政府が設置している正式なものだから、逃れることはできんぞ」
輸送班長が岩屋へと耳打ちする。関所の左右には長い石造りの壁があり、確かに回り道ができないようになっていた。目の前にある関所は、そんな壁に作られた大街道の幅を1.5倍くらいに広げた範囲にある隙間だ。岩屋たちは、ここで初めて政府所属の兵士を間近で見る機会になった。




