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「おや、焚火が煌々ときらめているな」
しばらくして夜も明けようとするころ、岩屋はのっそりと一つの家の中から出てきた。テッセラは座っていた木箱から立ち上がり、敬礼を岩屋へと行う。
「ああ、大丈夫だ。そのままでいい」
立ち上がったテッセラに、岩屋は歩み寄りながら伝える。テッセラは敬礼を解くとそのまま、最初に座っていた木箱へと再び腰を下ろす。岩屋はそんなテッセラの近くに立つと、焚火の火にあたっていた。そこまで涼しくはないものの、風が吹いているせいか、そのまま焚火のところにやってきたようだ。




