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「……よし」
テッセラは10分ほどで整備を完了させた。その間、動いているのはただ草むらの草だけ。風になびくようにして、夜の中、ただただ泳いでいる。再び足首へとあわせると、その銃はするりと体に沿って入り込んだ。
「予定通り、だな」
テッセラがつぶやくと、周りを確認する。誰もいないが、それを確認するためだけの偵察だった。ともかく、ここでは銃を持っていることは軍から何かしらの融通を受けているという認識になりそうだった。それを反政府組織が行うわけにはいかない。そこでこうして誰もいない時を見計らってするしかなかった。




