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パチパチと音がはじける。ただ、近くにある火掻き棒として使っている鉄の棒で、焚火の調子を整える。少し弱めにしたり、逆に強くしたりして、焚火の火勢を維持していた。テッセラは、火掻き棒を地面に置く。そのすぐ横には、木の箱を逆さにして簡単な椅子にしたものがあった。その椅子に腰かけると、ふぅとため息をつく。
「……少し、寒いな」
焚火を少し強める。風が吹いてくるのは、山の方向からだ。夜になるにつれて風は強くなりつつある。ただ乾燥しているおかげか、そこまで不快な雰囲気はなかった。




