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「これで全部だな」
最後の荷車の一台が関所を通ったとき、岩屋が確認を取る。
「そうだな、いよいよあとは近くにある村で一泊し、オリトークへと向かう」
オリトークは特別市の中で東に位置しているところだ。大街道というだけあって、それぞれの特別市同士を結んでいるらしい。ただ、この山の大街道は、すでにその意味を失っているように見えていたが。
「まずは村へ行くのか。どんな名前の村だ」
「確か、アミーロスという名前だったはずだ。ふもとにある小さな村で、ラシークスと同じような規模だ」
輸送班長が岩屋へと答えた。




