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「そうだな、少なくとも死にはしない。俺らのカシラが決めたことだ。できるだけ殺さずに、ことを運びたいってな。だから、俺らもそれに従う。ここを通してくれたら、誰も傷付かずに済むんだ。どうだ、悪い話じゃないだろう」
「いや、ダメだね」
真ん中の男が、グイッと銃口をアルダースへ向けてくる。
「お前が関所長か。何がダメなんだ」
銃に狙われている状態であったが、すでに慣れていたアルダースには効果は今ひとつのようだ。
「こちらに課せられた任務は、ここを通すな、だった。ここにきてしまった以上、こちらとしては、当然その任務を果たさなければならない」
任務を重要視しているのは、互いにその通りだ。だから、アルダースも、任務と言われれば、少なくともなんらかの譲歩が必要だと感じた。




