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「周りが静かだな」
岩屋はスカイハルへと尋ねてみる。スカイハルはそうですね、と言いながら徹底的に火を消すために土をかぶせ続けていた。フスフスとくすぶっていた焚火の末期の声も、次第に消えていくと、ようやく家の中から誰かが出てきた。
「もしかして、一晩中いたのか」
輸送班長はのっそりとドアから出てきて、焚火を消し終えた二人に声をかけた。
「ええ、ずっと見張っていました。誰かが来ても困りますからね」
「そっか、まあご苦労なこったな」
輸送班長はいいながらも、家から出てきて、ほかの面々を起こしに家をめぐりだした。




