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奪取した奉執将軍となっているスルーは、今を持っても、岩屋側の人らを探していた。
「捕まえて、全員を殺せ。人は安全であるよりも恐怖によって動くからな。公開処刑としよう」
「…分かりました」
スルーの部下の一人が答える。しかし、いやいやというのが表情も、言葉も、態度からもはっきりと分かる。それに対して、スルーは何も咎めはしなかった。わかったと答えている以上、それを実行することは決定であったからだ。
「では、はやくしろ。処刑の方法は任せるが、できるだけ恐怖を植え付けるようにしろよ」
「了解です」
疲れきった顔で、先ほどとは違う部下が答えた。それから、数人が執務室から退出する。




