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結局、家の中で何をしているか、ということについては、見ないことにした。それが適切な対応だと岩屋は考えたからだ。もっとも、人の情事ののぞき見をするほど、悪趣味をしていないということもあったようだが。
「……静か、ですね」
「そうだな」
日もすっかりと落ち、外は静かになっている。時折虫の声も聞こえてくるが、スカイハルには聞こえないようだ。気に留めずに会話を続ける。
「岩屋さん、いえフォールムさんも今のうちに寝たらいかがでしょうか」
スカイハルは街道の真ん中で火をおこしつつ岩屋へ言った。




