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「……怪しいところでも」
スカイハルの言葉は、慎重に発せられる。周りにだれもいなくなり、風が心地よいタイミングを狙って話始めた。
「こんな辺鄙なところに、単身者が愛人をかくまうか。まだ目の届きやすいところに置くのが常道なのではないか。とな」
岩屋は思わず小声で話し出す。ただ見張っている様子は見せなければならないため、周辺を見回しながらの会話となっていた。
「誰にもわからないようにすること、それとここを確実に通ること。この2点が問題なのだと思います。ここはもしも輸送班長としての任を解かれない場合、最適な場所だと考えます」




