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「そうか、貴方方は知らなかったんでしたね」
荷車を別の班員に任せ、岩屋たちへと話をし始める。聞いたのは岩屋だったが、すでに警護班の面々が周りに集まって話を聞いていた。
「ここに来る時には、必ず輸送班長はこの家に泊まるんです。なんでも昔の知り合いだとか何とかで。それで、この家にはほかには誰も入れないように頼んでいるんですよ。なんで俺らも、こうやって荷物だけ誰にも見つからないようにカギをかけて、あとは別の家に散っていくんです」
「だが警護はしないとな……」
と言いながらも、まだ玄関あたりにいる音がする輸送班長へと、岩屋は声をかけた。




