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「あら、班長さん。ようこそ」
家の奥から駆けって来た女性は、班長の姿を見るなり声をかける。何度か来ているという話通りで、顔なじみとなっているようだ。ただ、見慣れない、岩屋たちの姿を見るなり、キュッと眉間に縦皴が寄る。
「誰よ、この人らは」
「ああ、うちの会社の同僚だ。今回の輸送で警護に当たってくれている」
紹介しようと輸送班長が言うと、岩屋は一歩前へと歩み出て、その女性のところへと近寄った。
「ロック・フォールムです、今回の輸送班の警護班長をさせてもらっています」
どうぞよろしく、と岩屋は彼女へと名乗った。




