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「そういえば、この先に集落のような一角があったな」
岩屋はシレッというと、輸送班長はそれを二度見する。
「よく知っているな、誰かから教えてもらったのか」
「いや、所長が見せてくれた地図に書いてあっただけだ。そこに一泊することはできるんじゃないか」
岩屋は輸送班長へ尋ねると、少し考えて日の傾き具合を見た。岩屋も輸送班長につられて太陽の方角を見る。
「そうだな、今日はそこで泊まることになるだろう。だが、彼らと交渉するのは俺がする。いいな」
「ああ、構わない」
言いながらも、荷車は全台バリケードエリアを突破することができたようだ。




