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「……いや、考えるのは後だ」
スッと岩屋は言葉を出した。まずは、目の前にある障害を排除する。いつだって、そうやって生きてきていた。科学技術の類も、そのために必要だったから身につけたに過ぎない。
「ベンターナ、こっちへ」
岩屋は岩屋と輸送班長の後ろに控えていたベンターナを呼ぶ。すぐに岩屋の隣へと駆けよると、岩屋からの命令を待っていた。
「あの木の板の向こう、誰がいるかはわかるか」
「いえ、かなりしっかりと隠れているのか、ここからは見えません」
ベンターナははっきりという。




