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372.

 奉執将軍へのクーデターに成功したスルーは、まず最初に、岩屋の協力者を逮捕させた。特にヒカイロネとゴアフラは最重要人物として、すぐに捜索させた。だが、見つからない。

「なぜ見つからないのだ。研究所はすでに制圧したのだろ?」

 スルーは部下を執務室へ勢ぞろいさせたうえで、全員に向かって尋ねる。

「それが、どうやら脱出経路を確保していたようで……」

 部下の一人が、恐る恐る言うと、じろりと睨みつける。そして、スルーは叫んだ。

「だったら、はやく探せ!いいか、明日までに見つけなければ、全員首だ!」

 はっ、と部下全員が青ざめた顔で敬礼をした。すぐに駆け足で執務室から出ていく。それを見送りながら、スルーはため息をついた。

「……まったく、なっておらんな」

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