僕の異世界復讐話し

3726.

「結局、楽して通れるようにはなったな」

　ガラガラと荷台が運ばれていくのを見ながら、岩屋へと誰かがぼんやりとつぶやいていた。だれの言葉かは岩屋にはわからなかったが、ホッとした声色なのは分かった。

「……ともかくこれで1つ目突破だな」

「ああ、だがまだまだ山賊の関所はある。同じようにして通れると思っているのか」

「知らんさ」

　岩屋は、ちょうど岩屋の横で立ち止まって荷車を見届けていた輸送班長と、関所の中で話していた。