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「緊張してるか?」
テッセラはアルダースに小声で尋ねる。
「当然のこと。久しぶりの実戦ともなれば、緊張しない方がおかしいだろう」
だがアルダースは笑っている。それはテッセラも同じ。ただ、こういう緊張状態が好きなのかもしれない。だからこそ、二人はこうして立っている。
「そちらに挨拶がしたい。誰か出てきてくれないか」
アルダースがバリケードの向こう側へと話しかける。だが、予想通り、相手からの返事はない。
「仕方ない、攻撃を仕掛ける。矢をつがえるんだ。打ち込んでやる」
テッセラが声を掛けると、すぐにアルダースは弓を用意した。そして、斜め40度くらいの高さになるように射線を確保すると、ヒョンと打ち上げた。




