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「あれが山賊の壁だ。遮蔽壁で、あそこを迂回していくことは難しい」
「できなくはないんだな」
岩屋が確認のために聞いてみると、本道となるバリケードの脇にけもの道のような細く、未舗装で荒れ道が通っているのが見える。
「一応はある。だがあれを通っていく気にはならん。どうしても通らないといけないときに限って使っている。補助金が欲しい上と、荷物を届けなきゃならん俺らの、どうにかして見つけた妥協点だ」
「それでも山賊に襲われる、と」
警護がいくらいても、それではいけないだろう。それで岩屋たちがここに連れてこられたということのようだ。




