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クーデターは進行しているだろう。それも、急速に。もしかしたら、もう王宮は制圧されているかもしれない。奉執将軍としての地位も、安泰ではないことは知っていたが、ここまで一気にやられると、どうしていいのか分からなくなってくる。
「しかしなぁ…」
サザキの復活。それが岩屋の最大の望みである。そのための基礎研究はほとんど終わりに近付いている。研究員たちを救出すれば、友好関係の将軍領で研究を続けることはできるだろう。
「よし、ではそうしよう」
岩屋は、結論を出した。それは研究員を助け、出来ればクーデターをつぶすということである。




