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「一つ君らを試させてもらおう」
にやっと笑ってくるベルムに対して、岩屋はさっさというように目で促す。
「董事がすでに僕らのことを信用しているのに、ですか?」
一応、岩屋は言い返す。
「まあ、そういうな。これは俺からの試験だと思えばいい。君らへの試験は、この大街道を行き来する物資隊の警備だ。行きと帰り、1往復分を担ってもらう。君らは6人チームのようだから、全員であたってもらえればいいだろう。詳しくは……」
ベルムは少し言葉を切って、机の引き出しのどこかを開け、なにか封筒を取り出した。




