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「ありがとう、あなたはここまででいいわ」
「承りました、失礼いたします」
一役員としてはかなり広めの部屋をあてがわれているように、まずは岩屋は感じた。不相応という意味ではない。ただ、明確に単なる役員というものではないと思うだけだ。案内をしてくれた彼女は頭を静かに下げて部屋から出て行く。残されたのは、岩屋を筆頭とするダアト独立部隊の6人と、それに応対する形で、窓に背を向けて立っている女性が一人だ。あとはこまごまとした、ある意味役員室と言われたらあるであろう調度品が並んでいるに過ぎない。




