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「それでもあなたは選択をしないといけないでしょう」
スカイハルが岩屋に言う。岩屋は言われなくてもそれは理解をしている。ただ、議論は堂々巡りを繰り返すばかりになるだけで、結局のところ結論らしいものは出てくることはないだろう。それがわかっていながらも、岩屋は結局選択を先延ばしにするばかりだ。
「いつの日にか訪れるその選択のときに、自分たちがいるとは限りません。ですが、その時が来れば自然と選択をするのでしょう。正しいか間違っているか、ではなくて、最良の道と信じて。そして、隊長が選択した道が間違っていると考えることも正しいと信じることも、それを最善の選択として、自分たちは受け入れることでしょう。なので、その選択の時が来ましたら、また答えを教えてもらいたいのです」
「結果がどうなってもいい、ということにも聞こえるな」
岩屋は自嘲しながら言った。




