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「もう少しで到着だな」
岩屋がつぶやく。当然、護送兵は黙っている。もはや、岩屋はそれについて何も言わなかった。独り言のような感じであっても、反応しないということを知ったからだ。
車は、とある建物の前で止まる。そこは王宮だった。奉王将軍が住んでいる王宮だ。
「降りろ」
外から鉄格子を開けられ、岩屋は手錠をつけたまま車から降りた。そして、岩屋に言った兵に連れられ、すぐ後ろには、護送兵がついている。そのまま、周囲の目にさらされる暇もないほどあっという間に、王宮の壁の通用門から建物の中へと入った。




