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「これでいいか」
岩屋は懐からフーリオからもらった推薦状が入った、封がされた封筒を見せる。見せろ、と手を出してきたが岩屋はプロープへそれを手渡すことはしなかった。
「これは直接本人へ渡す。それまでは誰にも渡さん」
「……いいだろう。合格だ」
プロープは手を引っ込めて岩屋へと告げた。なにかの試験だったのかもしれないが、岩屋はそれを尋ねなかった。
「なら教えてくれるんだな。ソーリスの人事へ僕らのことを」
「ああ、教えよう。だがそのためには、ソーリスの組織の中で、どこに行きたいのかということを聞く必要がある」




