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「よしできたぞ」
フーリオは紙を書き上げたうえでそれを岩屋へと渡す。岩屋が上から順番に推薦文を読み上げていく間に、フーリオがそれを入れるための封筒を用意していた。
「それでいいだろう。彼らは商人だけあって様々な情報を欲しがると同時に、相手が信頼できるかどうかを的確に見極めていく。この推薦文があれば、その信頼の一助となることだろう」
封筒には、表にはフーリオの名前と表向きの商売としての焦点の名前が書かれていた。紙は三つ折りとして、その封筒へとピッタリに収まった。さいごに、何か固形を溶かしたものを封筒の封として、岩屋へと返す。




