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「それで、僕たちはどうすれば」
「おや、話が早いですね」
にこやかなままのフーリオに岩屋は半ばにらむようにして話しかけた。その間にも、近くにあった適当な剣を手に取って、持ち心地を確認している。鞘となっている白木から刀身を取り出せば、それは確かに剣といえるものだった。片刃であり、1メートルはないが、それでも十分だと思わせてくれるほど鋭く感じる。
「岩屋さんらには、何か追いかけている人物がいるとか。たしか、かなりのお偉いさんだったがその地位を失い、こちら側へと逃げてきた人物だとか」
かなり下調べをしているようだ。




