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「さて、大変なことになったな」
モルスは、執務室でつぶやいた。一通の手紙をみてからの、簡単であり、率直な感想だ。
「どうした」
ラグが、モルスに尋ねた。そして、モルスは手紙をラグへと回す。すぐにラグは全てに目を通し、モルスへと返した。
「娘の命はない、と。そういうことか」
「まあ、そういうことだな。さて、困った」
娘は生まれたばかりだし、他に子供を作る予定もない。このまま殺されるというのは絶対に避けなければならない。ならば、どうしたものか。そうモルスは悩んでいた。




