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「これらの切れ味を、その身をもって体験していただいていたことでしょう」
にこやかに彼が言っているが、その眼だけは笑っていなかった。もしも、そのようなときには、確実にそれを躊躇なく実行することができる胆力を持っているようだ。
「ああ、そういえば、自己紹介がまだでしたね」
すっと剣に伸ばしていた手を引っ込め、岩屋の方をしっかりと見据えて彼はあいさつを、改めてした。
「この砦の土産物店店主兼、この武装組織のリーダーのフーリオです。ああ、あなた方については軽く調べさせていただいております。シュトルン・ユンサンドこと岩屋京士郎さん」




