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「どうだ。お前、出たら一緒に生活しないか」
「えっ」
出会った初日、それなのに誘ってくれるということ。なにか裏があるに違いないと、スルーは感じ取った。
「……どうして、俺にかまうんですか」
「簡単さ。俺は、この世界を変えていきたい。お前みたいなやつを、一人でも救っていきたいんだ」
その瞳に、嘘は全く見られなかった。それどころか、信念に燃えているという感じまでする。スルーは、それにほれ込んだ。
「……分かりました、お願いします」
「よし、お前は俺の部下二号だ」
「二号ということは、もう部下はいるんですか」
「いるぞ。俺の親友でな、名前をバイ・ラグってんだ。出たら紹介したるよ」
そう言って、スルーにモルスは笑いかけた。この時だ、一生この人についていこうと、スルーは心に決めた。




