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「ライタントさんには一言礼を言わないと気が済まなくてね」
「何をおっしゃられると思えば。しかし、それ以外に本題があるのでしょう?」
ライタントはすぐにでも中身のある議論をしようとした。岩屋はそうか、と時候の挨拶を省略して、さっそく本題へと入った。
「ライタントさんと出会ってからたくさんのことを学んだ。この世界についても、よく学んだつもりだ。だが、それでもなお知らないことが多く現れる。とくに、半月ほど前に発覚した反乱の話には心底驚いた」
「サザキさんを女王として祭り上げるあれですか」
すでにライタントも詳細を知っているようだ。




