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「反乱の首謀者としてサザキの名前が挙がって来たんだ。それを確認したくてな」
部屋の隅にはほこりをかぶった椅子が数脚あった。そのうちの一番近くにあったものを持ってきて、サザキから数メートル離れたところへと置くと、そこへ岩屋は座った。ただ、サザキは編み物をやめようとはしない。それどころか、しっかりと口をつぐんでしまった。
「……なあ、最近来れなかったのは事実だ。それはすまないと思っている。だが、今はサザキが安心して暮らせるようにするために必要なことだったんだ。それはわかってほしい」
「理解はするけど納得はしないよ」
ようやくサザキは答えた。




