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「そういえば、あなたの名前は?」
岩屋は、相変わらず座ったままで彼に尋ねる。
「名前は、サクラ・ジェーンとでも名乗っておこう。ついてきてくれるよね」
ジェーンの目は、じっと岩屋を見つめていた。その視線を受けて、岩屋は立ち上がる。そして、ライタントを呼ぶように、駆け込んできた塀に命じた。敬礼をして、3分と待たさずにライタントを岩屋がいる執務室へと連れてきた。
「ああ、ライタントさん。ちょっと、奉王将軍と会談してきます。もしも、帰ってこないようなら、奉豪将軍が、全部の指揮をとるように伝えてもらえますか」
手錠は結局、かけられることはなく、ジェーンと武装兵に取り囲まれて岩屋は奉王将軍へと連れて行かれた。
 




