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「そうか、ならば話が早いな」
他の将軍が出してくれないのであるならば、こちらから取りに行けばいいと、岩屋は結論を出した。この世界では、ごく当たり前の結論である。そのため、工場の騒音に負けない声で、工員全員に聞こえるかのような声で宣言した。
「いいかっ、自然アルミが無ければ、計画は成就しないっ。ゆえに、これから、自然アルミを取りに行く!ついてきたい者は、ついてこいっ。これは、我らの生存のための戦いだっ」
岩屋は、そう言い放つと、くるりと向上に背を向けて歩き出した。すると、どうだろう。はじめはざわついていた工員も、1人、2人とついてくるようになり、最後には、工場長も、施設長すらもついて行軍をはじめるほどだった。




