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岩屋がこの世界に来てから、5年が過ぎた。その間にも科学技術は飛躍的に進歩している。
最大の進歩が、シャホールと飛行機の分野であろう。シャホールは、すなわちロボットのことであるが、自律式は未だに出来ていない。しかし、有線であれば、手のひら2つ分ほどの大きさのコントローラーによって動かすことができるところまで来ている。そして、飛行機に搭載をし、操縦のために必要な情報を提示できるほどになった。いわゆるコックピットの原型である。
飛行機は、空を1時間ほど飛びまわることができるようになったが、それ以上は今は難しい。燃料が相当いる上に、専用のエンジン開発が今一つだからだ。岩屋はそのエンジン開発を懸念していた。




