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シャルが向かったのは、ゴアフラのすぐ後ろにそびえたっている格納庫だった。第一格納庫と命名されたそこに、搭乗型試作1号と呼ばれる、最新型の飛行機があった。すでに複葉機ではなく単葉機であり、機体は半分ほどの部品を金属とし、両翼の端から端まではおおよそ25メートルほどあった。また、先端はプロペラが取り付けられており、さらに先端から尾翼までは40メートルを越えていた。
颯爽とコックピットに乗り込んだシャルは、自力でできる範囲の最終点検を行う。そして自分で機体に異常がないことを周りに教えるため、親指だけを立てて合図を送った。
 




