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272.

 奉勝将軍の代理人を選定し、岩屋たちが奉執将軍領へもどると、すぐに別の研究を続けることとなった。岩屋がいなくなっている間に、進んでいた研究結果を、報告書として上げてもらい確認をしている。執務室でしていると、コンコンコンとノックされ誰かが入ってくる。岩屋が報告書から顔をあげ確認するとライタントだった。

「サザキ研究班の報告書を持ってきました」

「ああ、受け取ろう」

 今まで呼んでいた報告書を横に置き、ライタントからその紙の束を受け取る。わずかに震えるライタントに岩屋は優しく話しかけた。

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