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僕の異世界復讐話し  作者: 尚文産商堂


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271.

「ふむ、これであらかた方が付いたか」

 岩屋が王宮の頂点に位置している奉勝将軍の執務室で、城下を見ながら言った。横にはライタントが立っていて、同じように城下一帯を見ていた。あちこちで万歳の声が響き渡り、略奪していた人らはシュトール兵によって取り押さえられ、捕まっていた。

「こうみると、なかなか皆さん楽しんでますね」

 ライタントが城下の様子を見た感想を述べる。前の奉勝将軍はすでに逃げ出し、今や岩屋が事実上の新たな奉勝将軍として認知されている。そして、奉執将軍としての治世はほかのどの領域でも高く評価されており、それをここでも行ってくれると信じているようだ。それゆえに、ここまで大歓迎を受け、万民が受け入れることができる将軍として、執務室にいる。

「どうやら奉勝将軍は、とんでもない圧政をしていたようだな」

 岩屋は窓辺から離れ、壁際にある執務机に座る。そして、その上にまとめられている書類のうち、一番上にあるものをつまみあげた。この部屋に入るなり、執務室に残されていたいくつかの書類を見つけた岩屋は、その調査に何名かの兵を割いていた。調査結果は今だ上がってきていない。だが、結果が判明するのも時間の問題であろう。それと同時に、政治犯のうち、刑事犯にも同時に指定されている人物を除く人らを即日釈放とした。だれもが奉勝将軍に不満を持っていた時期、革命や暴動といった騒ぎは日常茶飯事であった。それらの首謀者は即座に処刑されていたが、その謀議に参与した者や、付和随行者は終身刑として収監されていたのだ。ちなみに、同様のことは奉執将軍になった時や、奉葎将軍となっていた時期にも、岩屋は行っている。このようにして、民衆と手を組み合っていくという将軍の姿勢は、他の将軍とは一線を画しているものであって、そのために民衆から大いに期待されているというところもあるようだ。


 しばらくして、奉勝将軍は完全に逃走したという結論に至った。そうして、次の奉勝将軍を決めなければならないのだが、誰もが一致した意見を持っていた。

「……そうか、ならそうするしかないだろう」

 岩屋が、会議の場においてそう言う。会議には岩屋、ライタント、ヒカイロネの他にも、警察総裁、軍総司令官、民衆の代表として省城市民会議議長がいた。彼らが一致して、岩屋が次期奉勝将軍にふさわしいという結論を持っていた。そのためだろうか、反対意見が無かったため、岩屋はそれを受け入れやすかったと言えるだろう。

「僕が、新たな奉勝将軍だ」

 立ち上がってから、会議の面々の前で宣言をした。こうして岩屋は奉執将軍、奉葎将軍とともに、3つ目の称号として奉勝将軍も手に入れることとなった。

 なお、本官は奉執将軍であり、それ以外は称号を帯びているだけの状態で、通常は代理人がその職に就いている。奉葎将軍は名目上別の人がその職に就いているが、実際は岩屋が黒幕としているということは暗黙の了解であった。

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