僕の異世界復讐話し

269.

　王宮へ着くと、その城門は開け放たれていた。略奪が行われており、どうやら奉勝将軍はいないようだ。その門の中に入ると、あちこちからなにやら叫んでいる声が聞こえる。それが歓喜の声なのか、悲嘆の声なのかは、馬から降りつつある岩屋たちに判断することはできなかった。

「こちらへ」

　岩屋を遠くから見つけ、馬の世話係が大慌てで走ってきた。馬の引き綱を渡し、すぐに建物の中に入っていく。岩屋と一緒にここまでやってきていた人たちも、一緒に中へと突入していった。