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268.

「この中で、奉勝将軍を誰か知っているか。知っていたら、案内してもらいたい」

 岩屋が叫んだが、誰一人として答えようとしない。そしてざわざわとし始める。誰もが知っているが、それを伝えるということを嫌がっているという雰囲気だ。そのことを承知で、岩屋は尋ねているのだ。

 しばらくして、結局誰もはなさ出さなかったことを確認して、岩屋は再び進軍をはじめる。すでに王宮の主はいないだろうと考えつつも、そこに行かなければ、新たな即位の宣言を行うことはできないためだ。

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